COLUMN 院長コラム

オルソケラトロジーコンタクトレンズ「ブレスオーコレクト」導入と2013年度上半期手術成績の公開について


皆様、ご無沙汰しております!前回のコラムが4月でしたのに、もう夏です。蝉が鳴いております~。

先日、HP上で今年1月~6月までの手術成績を公開致しました。

お陰様で手術件数は伸び続けておりまして、この半年で計670件もの手術を当院にて受けて頂きました。1月以外は毎月100件以上の手術件数となりました。数ある眼科の中から当院を選んで頂いた患者様に、深く感謝の意を表したいと思っております。

HPでも公開しておりますが、今、思い返すと、私が大阪府済生会中津病院を辞して本格的に帰ってきた2007(平成19)年は一年間合計で321件の手術件数でした。現在のペースなら約3ヶ月分の件数となります。患者様の気持ちに立って、安心して手術を受けて頂けるように手術室や合併症も含めた手術成績などをオープンにし、普段の外来診療においても、気分よく当院を受診し、気分よく帰って頂けるように、愚直ながらも工夫をしながらやってきたことが、実を結んでいるのかなとも思います。ただ、私一人が幾ら頑張っても絶対無理なことであり、ワガママな院長をサポートしてくれるスタッフの皆が頑張ってくれているからこそであります。と言う訳で、この場を借りて、スタッフの皆にも感謝の意を表させて頂きます。m(_ _)m

ただ当然、手術件数が多ければ良いというものではなく、大切なことは今出来る最善最高の医療を、当院を受診して頂いた患者様に提供することでございます。今後とも慢心することなく、自分の出来る範囲で、地道に地域医療に貢献していく所存でございます。

ところで、この夏より、オルソケラトロジーによる近視矯正治療を開始しております。数名の方のデモも終了し、ご満足を得ましたので、本格導入です!

「オルソケラトロジーとは何ぞや?」ですが、平たく言いますと、特殊な形をしたハードコンタクトレンズであり、レンズをつけたまま就寝し、寝ている間に角膜の形を平坦化させることによって近視を矯正し、日中は裸眼で良好な視力が得られるというシロモノでございます。これを考え出した人は凄いですね~。ハードレンズを付けたまま寝るという発想はなかなか出てこませんよ、普通。(^^;)

オルソケラトロジーレンズは東レ社が作成している「ブレスオーコレクト」を採用致しました。理由は色々ありますが、一番大きな理由は、大津市には東レの大きな事業所があり(日本代表クラスが多数所属する女子バレーボール部が有名ですね)まして、その東レがオルソケラトロジーレンズに参入した時期と、私が導入を考え始めた時期がほぼ同じだったので、これも御縁かと思った次第でございます。地元企業なので、何かあっても迅速適切な対応をしてもらえると確信しております。

オルソケラトロジー治療自体は米国にて30年以上の研究、治療の実績があり、すでに累計120万人以上が治療を受けておられます。

また、オルソケラトロジーは現在、海外で普及しており、年間の患者数(業界誌からの推定)としては米国10万~15万人、英国、スペイン、オランダが各5万人前後、台湾、韓国は1万~6万人と全世界で年間推定40万人前後と試算され、今後日本でも大きく普及していく治療法となる可能性が大きいと考えられております。

屈折矯正手術であるレーシックとの一番大きな違いは、角膜を削ってしまうことによって近視(や遠視、乱視も)矯正するレーシックは、後で「やっぱり元に戻して」と言っても無理ですが、角膜を削ってしまうのではなく、凹ませているだけのオルソケラトロジーは、就寝時の使用をしばらく止めれば、元に戻ります。逆に言いますと、レーシックならば、角膜の厚みにもよりますが、ある程度の強度近視も矯正可能なのに対し、オルソケラトロジーは約50μmの角膜上皮を凹ませているだけですので、近視矯正効果は限られます。一般的には軽度~中等度近視までです。

まだまだ研究段階ではありますが、オルソケラトロジーによる近視進行抑制効果が報告されております。ひょっとしたら、今後、子供の近視進行抑制のスタンダードになる可能性は秘めていると考えております。
この治療は保険診療ではなく、レーシックと同様の自由診療となります。ご興味のある方はお気軽にお問合せください。近いうちに、このHPにもオルソケラトロジー治療のしっかりとしたページを作成しますね。

では、皆様、暑さに負けないようお身体をご自愛くださいませ。僕も身体を壊さぬよう、健康に留意しながら、引き続きバリバリと働く所存でございます!今後とも宜しくお願い申し上げます。

2013年9月12日追記:当院ホームページにもオルソケラトロジーページを追加しました。