information 診療・手術案内
ICL
(眼内コンタクレンズ)
ICLとは
小さなレンズを目の中に移植して、裸眼視力を回復させる視力矯正手術
ICL(アイシーエル)は、小さなレンズを目の中に移植(インプラント)して近視や乱視を矯正し、裸眼視力を回復させる新しい視力矯正手術です。レンズを黒目(虹彩)の裏側の後房と呼ぶ位置に固定するので「有水晶体後房レンズ」、「フェイキックIOL(Phakic IOL)」(phakicは水晶体の英語名)、あるいは「有水晶体眼内レンズ」ともいいます。イメージとしては、眼内コンタクトレンズで、水晶体と虹彩の間にソフトコンタクトレンズをインプラントすると言った感じです。
ICLの特徴
レーシック・コンタクトの弱点を克服する3つのポイント
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施術後でも、元の状態に戻せる
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術後の見え方に大きな不安を持つ方にとっては、「可逆性がある」、すなわち、「一回やってみて、嫌なら元の状態に戻せる」ということは大いなる安心感につながると思います。
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強度近視の方や角膜の厚みが薄い方にも、手術が可能
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レーシック手術が不可能だった強度近視の方や角膜の厚みが薄い方にも、手術が可能となります。
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ハードコンタクトレンズと比べ、見え方に遜色がなく満足度が高い
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視力矯正の精度が高くハードコンタクトレンズと比べても見え方に遜色がなく手術後の満足度が高いです。
レーシックとの比較
レーシックの弱点
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角膜を削ることによって近視を矯正するので、手術後に元の状態に戻すことは不可能です。
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角膜を削ってしまうので、角膜が非生理的な状態になり、削る量が多くなると見え方の質が低下する可能性があります。
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角膜を削ることによって、薄くなった部分に眼圧が集中し、keratectasia(医原性の角膜不正乱視)になる可能性がゼロではないです。これは術前検査機器の進歩によって、かなりの確率で回避できるようになりましたが、どうしても予測できない場合があります。
ICLに適した方・適さない方
ICLに適した方
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年齢は18歳以上の方
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有水晶体眼内レンズ手術に適応とされる患者さんの年齢は18歳以上で、水晶体の加齢変化を十分に考慮し,老視年齢の患者さんには慎重に施術する。
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6Dを超える強度近視の方
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6Dを超える近視とし、15Dを超える強度近視には慎重に対応する。ここでの屈折矯正量は等価球面度数での表現を意味し、術後の屈折度は将来を含めて過矯正にならないことを目標とする。
※日本眼科学会のガイドライン
6D以下の近視の方が手術を受けられないということでは勿論ないのですが、その場合は、レーシックの方が良い適応となることがほとんどです。ただ、角膜が薄くレーシックが不適応となった場合は、6D以下の近視でもICLをお勧めしますし、レーシックの不可逆性が気になり、ICLの方に安心感を感じる方はICLを選択されても良いと思います。 あくまでも目の状況と患者様の意思、そして主治医である私と相談で決めて行きます。
ICLに適さない方
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角膜と水晶体の距離(前房深度)が浅い方
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虹彩と水晶体の間の狭いスペースにレンズを挿入しますので、角膜と水晶体の距離(前房深度)が浅い方は、緑内障などの危険性がありますので、適しません。
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格闘技やサッカーなど、頭部に強い衝撃を受けるスポーツをされておられる方
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頭部への衝撃でレンズがずれてしまい、再手術が必要になる可能性もありますので、エキシマレーザーを使用したPRKやLASEKを施行した方が良い場合があります。
ICLの手術方法
目にかかる負担が少なく、日帰り手術が可能
ICL(アイシーエル)のレンズは、「コラマー(Collamer)」と呼ぶHEMA(水酸化エチルメタクリレート:hydroxyethylmethacrylate)とコラーゲンを含んだ親水性の柔らかい素材でできています。コラマーは生体適合性が高く、目の中にいれても異物として認識されにくい、大変優れた素材です。特別なメンテナンスをする必要もなく、目の中で長期間にわたって透明な状態を維持し、長くレンズとしての機能を果たします。
レンズの移植(インプラント)には、インジェクターと呼ぶ挿入器を使用します。インジェクターがレンズを小さく折りたたんだ状態で眼内に射出するので、移植のための切開創は約3㎜と小さく、目にかかる負担を少なくし、日帰り手術を可能にしています。
世界各国で承認された手術方法
ICL(アイシーエル)自体は、20年以上の歴史があり、現在ではヨーロッパ諸国、アメリカ、韓国、中国など世界各国で薬事承認されています。
日本でも国内治験の結果からICL(アイシーエル)の有効性と安全性が認められ、高度管理医療機器「有水晶体後房レンズ」として2010年には近視矯正用レンズが、2011年には乱視矯正も行えるトーリックレンズが厚生労働省から承認を受けています。
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(1) 点眼麻酔を行います
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(2) 3mmの角膜切開創を作成し、インジェクターにてICLを眼内に固定します。
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(3) ICLが眼内でゆっくりと広がります。
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(4) 支持部を虹彩の後ろに移動させます。
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(5) ICLを毛様溝に固定します。
ICLのメリット・デメリット
ICLの4つのメリット
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強度近視でも手術可能
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角膜を削らないので良好な術後視機能
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角膜を削らないため、keratectasiaを起こす心配がない
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ICLを取り出すことも可能なので可逆的な手術(嫌ならば元に戻せる)
ICLのデメリットはコスト
ICLの手術費用はLASIKより高額になります。最新技術を駆使したレンズ代が高額になります。
税込 | ||
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片眼 | 330,000円(乱視ありの場合は363,000円) | |
両眼 | 660,000円(乱視ありの場合は726,000円) | |
適応検査※ | ・簡易検査/無料 ・詳細検査/6,600円 |
※適応検査について
手術が可能かどうかを見定める簡易検査は無料。手術を施行するために必要な更なる詳細検査は6,600円とさせていただきます。
※度数が強い等、使用するレンズが特別注文になる場合、別途レンズ代の差額が必要になります。
- 簡易検査:視力・眼圧・波面センサー・前眼部OCT(CASIA)検査まで。
- 詳細検査:簡易検査に加え、調節麻痺剤を使用した精密屈折検査、眼軸長測定、精密眼底検査、手術説明など
当院の考え
コンタクトレンズユーザーの方なら、両眼で毎月数千円のお金を支払っているわけですし、年間で数万円。5年、10年と考えてみると、屈折矯正手術を受けなくとも、近視・遠視・乱視でかなり高額のお金を支払うことになります。眼鏡、コンタクトレンズが必要のない快適な生活を得られるならば、決して高すぎる値段ではないと考えます。