COLUMN 院長コラム

new テクノロジーの導入 ~トリフォーカル眼内レンズ FineVision及びAlcon社 VERION~

ご無沙汰しております!早いもので、医院を移転してから早くも1年近くになります。忙しくて中々コラムにまで手が回りませんが、決して存在を忘れていたわけではございません!最近、newテクノロジーの導入が相次いでますので、報告させて頂きます。

その前に近況報告ですが、最近、40を過ぎてから代謝の低下か、ぶくぶくと体が太っていっておりましたが、意を決してジムに通いだし、ダイエットをしております。ダイエットが上手く行き、ここ数か月で激やせしておりますが、患者様からたまに「先生大丈夫ですか?」とご心配の言葉を頂くことがあります・・・。これは日常の節制とトレーニングの賜物であり、決して悪い病気になって痩せているわけではありませんのでご心配なきようお願い致します!(^^;)

さて、まずはトリフォーカル眼内レンズFINEVISION(ファインビジョン)の紹介です。

トリフォーカルのトリは「3」と言う意味。フォーカルはfocalで焦点と言う意味です。2つ合わせて3焦点眼内レンズ、すなわち遠中近にピントの合う眼内レンズと言う意味ですね。従来の多焦点眼内レンズは遠近にピントの合う、いわゆる「二焦点」眼内レンズでした。中間距離(70cm~1mくらい)は決してみえないわけではないのですが、焦点が合わないので近づくか、遠ざかるかしないと見えづらいということになります。トリフォーカルレンズは今までの二焦点レンズでロスしていた光を中間距離にピントが合うように設計しているとのこと。世界には色々賢い人がおられるんですね~。単なる臨床家である私には到底考えも及びません!

詳細はHPのトリフォーカルレンズページをご覧ください。

導入後、既に何人かの患者様にこのレンズを用いて手術を施行しましたが、現在のところ、大変満足のいく結果が得られております。ただ、このレンズはベルギーのレンズで、ヨーロッパでは承認されておりますが、日本国内では未承認となりますので、先進医療特約は利用できません。完全に自由診療となりますので、ご注意ください。

他にも海外の多焦点眼内レンズは入手可能ですが、私がファインビジョントリフォーカルレンズの導入を決意した理由は、近方加入度数が+3.5Dとなっていることです。このくらいの近方加入度数ですと、30~40cmくらいにピントが合うので日本人の読書距離に最適です。

近くを見るときに求められる距離感や見え方の質は、使用している言語や体格の違いによって、変わってきます。

身長180cm以上で英語圏の方ですと、腕の長さも考えると近方視時は40~50cmが最適ではないでしょうか?日本人なら30~40cmが良いと思います。また、英語圏ではアルファベットの高々26文字の判別が出来ればよいわけですが、日本人はひらがな、カタカナ、アルファベット、そして漢字など様々な文字の判別が出来なければ「近くも良く見える!」と言ってもらえません。そういう意味で、ファインビジョントリフォーカル眼内レンズは海外製ながら日本人にも非常にマッチした多焦点眼内レンズであると考えております。

次はアルコン社のVERION(ベリオン)です。
このマシンは角膜屈折力と乱視軸の測定を行い、かつ約1000回の高解像度デジタル画像を撮影し、患者固有の強膜血管、虹彩の特徴などを捉えます。これを用いて手術中に、術前に計画した切開位置、前嚢切開位置、眼内レンズの中心固定位置、乱視矯正眼内レンズの軸を顕微鏡下とモニターに表示することが可能です。多分、眼科専門でない一般の方々がこの文章を読んでも何のこっちゃサッパリ意味が分からないとは思いますが、要するに今までの目分量の手術から、再現性のある、より正確な手術にステップアップできるということです。個人的には、かなり革命的なマシンであると確信しております。特に、乱視矯正や多焦点眼内レンズを挿入する際に絶大な力を発揮致します。

近年のテクノロジーの進歩は目覚ましいものがありますが、多様化する患者様のニーズに応えるため、森井眼科医院も院長はじめスタッフ一同、日進月歩で進化していきたいと考えております。今後とも宜しくお願い致します。