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多焦点眼内レンズにおける選定療養について

多焦点眼内レンズにおける選定療養について

老視矯正も目的とする、白内障に対する多焦点眼内レンズ治療は、日本の保険診療においては、今まで先進医療という枠組みで施行されておりましたが、令和2年3月31日を持って、先進医療からは外れ、選定療養という枠組みで行われることになりました。海外からの輸入眼内レンズ(Finevision、MINIWELL、Acriva trinovaなど)を用いる手術は、これまで通りの完全自由診療となります。

選定療養について

選定療養とは、業界の用語辞典を引きますと、

「社会保険に加入している患者が、追加費用を負担することで保険適用外の治療を、保険適用の治療と併せて受けることができる医療サービスの一種。健康保険法で規定されており、保険外併用療養費制度に基づいたサービスである。」

とあります。

イマイチ、ピンと来られない方も多いと思いますが、同じ選定療養の扱いとなる医療としては、

病院に入院する際の差額ベッド代(大部屋は無料だが、個室は有料など)

歯科治療の金属材料(金歯なら差額代発生など)

などがあります。

選定療養のイメージ

白内障手術(水晶体再建術)に対しては、保険診療で施行し、多焦点眼内レンズと通常の保険診療で使用する単焦点眼内レンズの差額代金+多焦点眼内レンズ手術に必要な追加検査代金が追加費用ということになります。

これまでは、混乱を避けるためもあって、多焦点眼内レンズ手術代金は統一しておりましたが、この制度により、各眼内レンズの値段によって、追加費用が変わることになりました。

選定療養の多焦点眼内レンズ(国内承認IOL)手術費用

当院取り扱いIOL 乱視矯正 片眼(税抜) 両眼(税抜)
テクニスマルチフォーカル
(二焦点回折型)
乱視なし 200,000円 400,000円
アクティブフォーカス
(二焦点回折型)
乱視なし 200,000円 400,000円
乱視あり 250,000円 500,000円
パンオプティクス
(三焦点回折型) 
乱視なし 300,000円 600,000円
乱視あり 350,000円 700,000円

多焦点眼内レンズ及び特定検査(コントラスト感度・角膜形状解析)以外は保険診療のため、上記料金に別途加算料金が発生いたします。

日帰り手術の場合
1割負担:片眼 約20,000円
3割負担:片眼 約60,000円

※選定療養で使用可能な多焦点眼内レンズでも、レーザー白内障手術(フェムトセカンドレーザー)をする場合は自由診療となります。

対象となる眼内レンズ

薬事承認された多焦点眼内レンズであって、眼鏡装用率の軽減効果を有するとして承認されたもの、または先進医療の枠組みで評価を受けたものが対象となります。
※海外からの輸入眼内レンズ(FinevisionMINIWELLAcriva trinovaなど)を用いる手術、及び、フェムトセカンドレーザーを使用した白内障手術(FLACS)はこれまで通りの完全自由診療となります。

当院で選定療養において使用する多焦点眼内レンズ

これまで、1,000例以上の多焦点眼内レンズ手術を施行し、薬事承認されたレンズの中では、経験上、以下の3つのレンズが優れていると考えております。

TECNIS MULTIFOCALテクニスマルチフォーカル(二焦点眼内レンズ) AMO社

TECNIS MULTIFOCAL
光学部3mmのエネルギー配分
光学ロス 18%
遠方:41%
近方:41%
合計:82%

間違いなく、当院で今まで一番多く使用した多焦点眼内レンズとなります。テクニスマルチフォーカルの近方加入度数は、+2.75D,+3.25D,+4.0Dと3種類ありますが、加入度数が+3.25Dのレンズをほぼ使用します。この度数が強ければ強いほど、より手元にピントが合いやすいです。その代りに、夜間のハローグレア等の副症状は強くなる傾向にあります。経験上、+3.25Dのレンズが一番バランスが取れており、日本人にマッチしていると考えております。手元は40cm前後でピントが合いやすいということになります。

このレンズの最大の特徴は、上図の通り、瞳孔径の大きさに関わらず、光の配分が変わらず、常に遠方と近方に均等なエネルギーを供給しているということです。このことにより、比較的明るさに左右されず、特に近方を見る時には自由診療のレンズを含めても、多焦点眼内レンズ最強の見え方を供給します。

弱点は、夜の見え方、いわゆるハロー・グレア(夜間に光が滲んで見えたり、眩しく感じたりする)ということになりますが、そもそも、白内障患者さんの大多数が手術前にハロー・グレアの症状は自覚しておられ、それより強くなるということではありません。ほとんどの方は「確かに感じるけれども、慣れたら気にならない。それよりも日常生活のメリットの方がはるかに上回る」と感じると思います。

三焦点レンズが登場してから、二焦点というのは、何か一世代前のレンズというイメージをお持ちになるかも知れません。しかし、二焦点ならば、100%のエネルギーを半々で50%ずつ、実際はロスも生じますが、それでも40%強のエネルギーを供給できるわけです。三焦点レンズはロスが無いとしても、単純にそれぞれが1/3ずつということになりますので、二焦点レンズの方が配分は多いということになります。

二焦点レンズということで、中間(1m前後)の見え方を気にされる方もおられますが、単焦点レンズで遠方にピントを合わせた場合とそう変わらず、日常生活レベルではほぼほぼ問題になることは少ないです。

ただ、ピアノ等、楽器を演奏するのが趣味という方は、中間距離で細かい記号の楽譜をみたりしますので、中間距離にも十分にエネルギー配分のあるレンズを選択されるのが良いと思います。

元々、近視の方で、裸眼で手元を見ることが多い方、近方視を重視したい方は、一番にお勧めするレンズとなります。

Acrisof IQ ACTIVEFOCUS アクティブフォーカス(二焦点眼内レンズ)※乱視矯正レンズあり Alcon社

ACTIVEFOCUS
光学部3mmのエネルギー配分
光学ロス 12.6%
遠方:69.4%
近方:18%
合計:87.4%

このレンズの最大の特徴は、遠方視機能です。たくさん使用しましたが、遠方の見え方は単焦点眼内レンズと変わらないレベルで、夜間の見え方も良好です。また、夜間のハロー・グレアも無いわけではないですが、少ないレベルで、夜に活動することが多い方もほぼ問題ない見え方を提供してくれます。

近方加入度数は+2.5Dとなり、50cm前後の見え方が良好となります。当院で、このレンズを両眼に挿入された患者様にアンケートを実施したところ、約半分の方は、近方も眼鏡無しで問題ないと答えられ、約半数の方は、近方はやはり眼鏡が必要と答えられました。パソコン等の中間距離は問題ないです。

近方視の距離は体格によっても変わります。またライフスタイルが、そんなに読書はしない、パソコンなど50cm程度の距離で見る方がメインという方は、十分な視力となります。

グラフは、アルコン社の二焦点眼内レンズであるレストアとの比較です。横軸の瞳孔径が大きくなる状況は暗がりでの見え方を示し、瞳孔径が小さくなる状況は明るい所での見え方を示します。

濃い紫実線が遠方、濃い紫点線が近方への光配分となります。グラフを見ると、明るい状況(グラフ左側)では、比較的近方への配分が増え、暗い状況(グラフ右側)になると、より遠方への配分が増えます。

遠方距離と中間距離、及び、夜間の見え方を重視したレンズと考えてもらうとイメージしやすいかと思います。手元を見る時は、なるべく明るくして、少し距離を離し気味にする必要があります。

文庫本の読書など、細かい文字は近用眼鏡をかけて見えれば十分で、それよりもむしろ、ゴルフなど屋外活動が趣味で、遠方の見え方を重視したい方、夜間の車の運転頻度が高い方、パソコンの距離を重視したい方などは非常に適したレンズです。

乱視矯正レンズもあるので、乱視の強い方も使用できます。

また、網膜(黄斑)前膜、初期の緑内障など、他に眼疾患があるかたで、多焦点眼内レンズを希望する方にも使いやすいレンズであると言えます。

Acrisof IQ PanOptics パンオプティクス(三焦点眼内レンズ)※乱視矯正レンズあり Alcon社

PanOptics
光学部3mmのエネルギー配分
光学ロス 12%
遠方:44%
中間:22%
近方:22%
合計:88%

瞳孔径に応じた、遠方、中間、近方での回折効率

現時点(2020.4月)で、選定療養で使用可能な唯一のトリフォーカル(三焦点)レンズとなります。このレンズの印象は、非常にバランスが取れていて、使いやすいです。

最大の特徴は、トリフォーカルであるということで、日常生活の様々な場面で、十分な見え方を提供してくれます。中間の加入度数は約2Dで60~70cmくらい、近方は3.25Dでテクニスマルチフォーカルと同様の40cm前後が見えやすくなっております。

グラフを見ますと、アクティブフォーカスと同様、明るい状況(グラフ左側)では、比較的近方への配分が増え、暗い状況(グラフ右側)になると、より遠方への配分が増えます。ハローグレアに関しては、テクニスマルチフォーカルと同様です。

近方に関しては、20%強の光配分ですから、薄暗い所では苦手です。なるべく明るくされるなど、レンズの特徴をご理解いただければ、問題なく見えると思います。

乱視矯正レンズもあるので、乱視の強い方も使用できます。

中間距離も近方も重視したいという方や、元々近視ではなく、手元は老眼鏡をかけて見ておられた方などは、バランス型のこのレンズを一番にお勧めすると思います。

おわりに

3つのレンズの詳しい解説を書きましたが、ご理解いただきたいのは、若い時の調節力のある水晶体ではなく、あくまでも人工の眼内レンズであるということです。

最近、特に、三焦点レンズという言葉の響きに惹かれて、あたかも二十歳の頃に戻るような印象を持たれて来院する方もおられますが、グラフを見ればお分かりの通り、あくまでもバランス型のレンズであり、それぞれのレンズにはそれぞれの特徴があります。

当然、皆さん、迷われる方も多いですが、患者様の要望を聞いて、院長から一番適したレンズをお勧めすることになります。例えば、右目と左目に別々のレンズ、アクティブフォーカスとテクニスマルチフォーカルを組み合わせる(Mix & match)ということをすることもあります。人間の脳の順応性はそれは素晴らしいもので、そうすることによって、脳が状況によって、優位眼を選択し、日常生活において、ほぼ問題のない見え方を提供できたりします。ただ、これも万人がそうすればよいと言う訳でもなく、院長が自らの経験を基に、患者さんの話を聞いて、目の状態を勘案し、相談しながらレンズを決定するというプロセスになります。

当院での多焦点眼内レンズ診療の歴史も、2008年に開始しましたので、早いもので10数年となりました。日本中でも、先進医療の時代を経て、既に多焦点眼内レンズを挿入された方がたくさんおられ、その多くの方は、なるべく眼鏡に依存しない、快適な生活を行っておられることと思います。

迷っておられるなら、まずは相談してください。より良い人生を歩まれるためにサポートさせていただきます。

当院で自由診療において使用する多焦点眼内レンズ

自由診療のレンズはヨーロッパから続々が新しいIOLが出現しております。

Acriva Trinova

ALSAFIT FOURIER New!

Finevision Triumf New!

MINIWELL READY

白内障、白内障手術に関するアンケート