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自由診療で使用する
海外輸入の多焦点眼内レンズについて

はじめに

眼内レンズは医薬品ということになり、日本国内の保険診療で使用する際には、薬事法に定められた審査を受け、承認(薬事承認)を得なければなりません。選定療養において使用可能な多焦点眼内レンズは、全て薬事承認を経たレンズということになります。

ただ、世界に目を向けると、新しい多焦点眼内レンズが色々出てきております。勿論、各地域で、日本と同様の承認制度があり、アメリカの医薬品認証はFDA、EU諸国ではCEマークを取得すれば承認を受けた証拠となります。アメリカの企業(Alcon、AMO)は日本の薬事承認を取得しますが、EU企業(ドイツ、イタリア、ベルギー、オランダetc)は日本の薬事承認を取得する考えが無いため、EU発の多焦点眼内レンズを使用する場合は、完全自由診療となります。

ご存知の通り、日本の薬事承認を取得するには、ある程度の年月が経過してしまうため、自由診療で使用するレンズは、より直近に開発されたレンズということになります。

また、薬事承認を取得した眼内レンズは、製造範囲がある程度決まっており、かなり強度近視眼の方などは、ピッタリと合う度数が無い場合もあります。その場合、EU発の多焦点眼内レンズは、幅広い度数が準備されているので、安心して使用することが出来ます。

各レンズの特徴

①FineVision PodF ファインビジョン(三焦点眼内レンズ)※乱視矯正レンズあり PhysIOL社

FineVision
光学部3mmのエネルギー配分
光学ロス 14%
遠方:約43%
中間:約15%
近方:28%
合計:86%

このレンズは最初に登場した三焦点眼内レンズで、当院では既にたくさんの患者さんに使用いたしました。これまでにも、このHPで解説しております。

アルコンのPanOpticsと同じグループになります。味付けは少し違います。中間の加入度数は+1.75D負荷で70cmくらいと、ほぼ同じですが、近方距離は+3.5D負荷で35cm程度の距離が見えやすくなるように設計されております。明るくなればなるほど、近方のエネルギー配分が増えるのは同様ですが、明所時の近方のエネルギー配分はPanOpticsより多く30%前後ありますので、より近方が見えやすくなるように設計されております。その分、中間距離の配分が若干少ないです。夜間のハローグレアが弱点ということになります。中間距離の視力も十分に欲しいという方は、FineVision TriumfとのMix & Matchをお勧めします。

乱視矯正レンズもあるので、乱視の強い方も使用できます。

FineVisionが向いてる方

バランスのよい見え方を希望され、夜間の車の運転をそれほどせず、それよりも近方の見え方を重視したいという方はお勧めのレンズとなります。

②MINI WELL READY ミニウェル(EDOF眼内レンズ)※乱視矯正レンズあり SIFI社

MINIWELL
光学部3mmのエネルギー配分
光学ロス 5~6%
不明
遠、中、近への光の分配率につきましては、ミニウェルは、光を分割しております回折型とデザインが全く異なり、光をミックスさせて遠方から近方まで連続した焦点を作り上げておりますので、特定の距離に対する光の分配率を明確化させるのは非常に難しいことをご理解いただきますようお願い致します。
※当院からの問い合わせに対するメーカーからの回答

ミニウェル(MINIWELL)とは、遠方から近方までスムーズに見える画期的な多焦点眼内レンズです。乱視矯正レンズもあるので、乱視の強い方も使用できます。

回折型多焦点レンズとEDOFレンズであるMINIWELLの違い

従来の多焦点眼内レンズは遠方と近方というように、限られた範囲にしかピントが合いませんでしたが、MINIWELLは、遠方と近方まで幅広い範囲が見えるようになります。また、夜間のライトが眩しくなく、視界がクリアです。回折型多焦点眼内レンズの場合、散乱光が発生しやすく、夜間運転中など見えにくい原因となっています。

MINIWELLが向いてる方

遠方視力と中間距離視力により強みがあるため、スポーツをされるような方など、遠方重視の方や料理やデスクトップのパソコンをご覧になる方など、中間距離重視の方に向いています。ハローグレアが少ないため、夜間の車の運転頻度の高い方も使いやすいです

回折型レンズと違い、レンズの中央部分が遠方視を担当し、周辺部が中間~近方視を担当するので、瞳孔径がある程度大きな方(当院の術前検査でわかります)、比較的若い世代の方には最適なレンズとなります。また、初期の緑内障や、黄斑前膜(網膜前膜)などの軽度の網膜疾患を有する方も、単焦点レンズと変わらない感覚で使用することが可能です。

③FineVision Triumf Pod L GF ファインビジョン トリウムフ(三焦点EDOF眼内レンズ)PhysIOL社

FineVision Triumf
光学部3mmのエネルギー配分
光学ロス 9%
遠方:約45.5%
中間:約27.3%
近方:18.2%
合計:91%

FineVisionのnew typeになります。Triumfという単語は聞きなれませんが、ドイツ語(元はルーマニア語とのことです)です。英語で言うとTriumph=勝利という意味となります。PhysIOL社はベルギーの会社ですが、おそらく開発された先生はドイツ語圏の方なのでしょう!

三焦点EDOFレンズということで、遠方から近方まで、幅広くクオリティの高い見え方を提供するというのがコンセプトです。

グラフをご覧になると分かるように、初代モデルのFineVisionと違って、近方よりも中間視力にエネルギー配分を大きくしております。これの意味するところは、EDOFということで、やはり遠方と中間重視のレンズということになり、日常生活での自然な見え方重視となります。

また、瞳孔径の大きさによる光エネルギーの配分がほとんど変わりません。ご高齢の方でも安心して使用できます。

どちらかと言うと近方重視である初代モデルと違うコンセプトであるが故に、近方視が不安な方は、初代モデルとのMix & Match(右眼と左眼でそれぞれ別のレンズを挿入)をすることによって、お互いが補完しあい、両眼視時では、ほぼすべての距離をバランスよく見えるように設計されております。

FineVision Triumfが向いてる方

遠方視力と中間距離視力により強みがあるため、スポーツをされるような方など、遠方重視の方や、楽器演奏を趣味にされている方、デスクトップのパソコンをメインに使っておられる方など、中間距離重視の方に向いています。ハローグレアが少ないため、夜間の車の運転頻度の高い方も使いやすいです。また、初期の緑内障や、黄斑前膜(網膜前膜)などの軽度の網膜疾患を有する方も、単焦点レンズと変わらない感覚で使用することが可能です。

④Acriva Trinova アクリバ トリノバ(三焦点EDOF眼内レンズ)※乱視矯正レンズあり VSY社

AcrivaUD Trinova IOL(アクリバ トリノバ)は、オランダのVSY Biotechnology社が製造している眼内レンズです。光学部はエッジがシャープでない同心円状のパターンとなっていて、ハロ(光の輪状散乱)、グレア(光のにじみ)が少ない構造になっています。中間用として+1.5D、近方用として+3.0Dが加入されていて、さらにEDOF(Enhanced Depth of Focus)という焦点深度を広げる機能を追加して、遠方、中間、近方がスムーズにみえるように設計されています。また、乱視を矯正できるトーリックレンズもあります。近方の度数が+3.0Dということで、40cmより離したほうが見えやすくなります。2017年10月にヨーロッパCEマークを取得し販売を開始しました。

光の分布

Acriva Trinova
光学部3mmのエネルギー配分
光学ロス 8%
遠方:約36%
中間:約30%
近方:26%
合計:92%

Acriva Trinovaの最大の特徴は、92%の光が遠方から近方に焦点があっており、他の回折型マルチフォーカルに比べ、効率的に使われています。どの瞳孔径でもほぼ同じ光の量が遠方、中間、近方に収束し光学ロスが少ないため、より見え方の質が良いことが予想されます。味付けは完全にバランス型です。

見え方

Acriva Trinovaの解像力を他のトリフォーカルIOLと比較すると、明るいところ、暗いところともに遠方、中間、近方ともに良好な見え方を示しています。

色収差

Acriva Trinovaのアッベ数(透明体の色分散を評価する指標)は58という高い値を示しており、アッベ数が低い(下右図)ほど色収差(色のにじみ)が発生しやすくなりますが、Acriva Trinova(下左図)は色収差が少なくシャープに見えます。

Acriva Trinovaが向いてる方

遠方視力と中間距離視力により強みがあるため、スポーツをされるような方など、遠方重視の方や、楽器演奏を趣味にされている方、デスクトップのパソコンをメインに使っておられる方など、中間距離重視の方に向いています。近方も悪くはないですが、+3.0D負荷(40cm程度)ということで、他のレンズに比べて、やや離し気味に見た方が良いかもしれません。体系が大柄な方は問題ないでしょう。ハローグレアが少ないため、夜間の車の運転頻度の高い方も使いやすいです。また、初期の緑内障や、黄斑前膜(網膜前膜)などの軽度の網膜疾患を有する方も、単焦点レンズと変わらない感覚で使用することが可能です。

⑤ALSAFIT FOURIER アルサフィット フーリエ(三焦点EDOF眼内レンズ)※乱視矯正レンズあり ALSANZA社

ALSAFIT FOURIER IOL(アルサフィットフーリエ眼内レンズ)は、ドイツのAlsanza Medizintechnik und Pharma社が製造している眼内レンズです。白内障手術後または老視治療のための水晶体摘出後の嚢内に挿入するシングルピース型マルチフォーカル眼内レンズです。

ALSAFIT FOURIER IOLは光学部6mmすべてが同心円状のスムーズな波状の回折パターンで、グレア(光のにじみ)やハロ(光の輪状散乱)が少ない構造となっています。

近方用として+3.55D(35cm)、中間用として+1.77D(70cm)が加入されたトリフォーカルで、reverse apodization(逆アポダイズ、中心部から周辺部に向かって溝を高くする)のフーリエ光学部となっており、すべての距離に高品質の見え方を提供できるように設計されています。

2018年9月にヨーロッパCEマークを取得し、販売を開始しました。

光の分布

ALSAFIT FOURIER
光学部3mmのエネルギー配分
光学ロス 8.6%
遠方:約33%
中間:約32%
近方:26%
合計:91.4%

ALSAFIT FOURIERの最大の特徴は、91.4%の光が遠方から近方に焦点があっており、効率的に使われています。どの瞳孔径でもほぼ同じ光の量が遠方、中間、近方に収束し光学ロスが少ないため、より見え方の質が良いことが予想されます。味付けは完全にバランス型です。

要するに、前述のAcriva Trinovaと非常に特徴が良く似通っているレンズということになります。Acriva Trinovaとの最大の違いは、近方加入度数の違いで、Acrivaは40cm前後が見えやすくなり、ALSAFITは35cm前後が見えやすくなります。この5cmの差は、結構大きいです。

見え方

瞳孔径2mm、3mm、4.5mmの解像力試験での見え方を示します。遠方、中間、近方のいずれの距離もクリアに見えています。

色収差

色収差はレンズ材質の屈折率によって決まりますが、ALSAFIT FOURIER IOLのアッベ数は58という高い値を示しており、色収差が小さい材質を使用しています。

ALSAFIT FOURIERが向いてる方

基本はAcriva Trinovaと同じですが、中間距離視力と近方視力により強みがあるます。近方は、+3.5D負荷(35cm程度)ということで、近くを見る時の距離感も日本人向きと言えます。ハローグレアが少ないため、夜間の車の運転頻度の高い方も使いやすいです。また、初期の緑内障や、黄斑前膜(網膜前膜)などの軽度の網膜疾患を有する方も、単焦点レンズと変わらない感覚で使用することが可能です。

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