老視矯正も目的とする、白内障に対する多焦点眼内レンズ治療は、日本の保険診療においては、今まで先進医療という枠組みで施行されておりましたが、2020年3月末をもって、先進医療からは外れ、選定療養という枠組みで行われることになりました。海外からの輸入眼内レンズ(Finevision、MINIWELL、Acriva trinovaなど)を用いる手術は、これまで通りの完全自由診療となります。
多焦点眼内レンズと
選定療養について
選定療養とは、業界の用語辞典を引きますと、
「社会保険に加入している患者が、追加費用を負担することで保険適用外の治療を、保険適用の治療と併せて受けることができる医療サービスの一種。健康保険法で規定されており、保険外併用療養費制度に基づいたサービスである。」
とあります。
イマイチ、ピンと来られない方も多いと思いますが、同じ選定療養の扱いとなる医療としては、
- 病院に入院する際の差額ベッド代(大部屋は無料だが、個室は有料など)
- 歯科治療の金属材料(金歯なら差額代発生など)
などがあります。
選定療養のイメージ
白内障手術(水晶体再建術)に対しては、保険診療で施行し、多焦点眼内レンズと通常の保険診療で使用する単焦点眼内レンズの差額代金+多焦点眼内レンズ手術に必要な追加検査代金が追加費用ということになります。
これまでは、混乱を避けるためもあって、多焦点眼内レンズ手術代金は統一しておりましたが、この制度により、各眼内レンズの値段によって、追加費用が変わることになりました。

選定療養の多焦点眼内レンズ(国内承認IOL)費用
当院取り扱いIOL | 乱視矯正 | 片眼(税込) | 両眼(税込) |
---|---|---|---|
テクニスシナジー (連続焦点型) |
乱視なし | 330,000 | 660,000 |
乱視あり | 385,000 | 770,000 | |
パンオプティクス (回折型・三焦点) |
乱視なし | 352,000 | 704,000 |
乱視あり | 407,000 | 814,000 | |
テクニスオデッセイ (連続焦点型) |
乱視なし | 363,000 | 726,000 |
乱視あり | 418,000 | 836,000 | |
クラレオンヴィヴィティ (焦点深度拡張型) |
乱視なし | 352,000 | 704,000 |
ファインビジョン (回折型・三焦点) |
乱視なし | 330,000 | 660,000 |
※選定療養で使用可能な国内承認レンズでも、レーザー白内障手術の場合は自由診療となります。
多焦点眼内レンズ及び特定検査(コントラスト感度・角膜形状解析)以外は保険診療のため、上記料金に別途加算料金が発生いたします。
日帰り手術の場合
1割負担:片眼 約25,000円
3割負担:片眼 約53,000円
※選定療養で使用可能な多焦点眼内レンズでも、レーザー白内障手術(フェムトセカンドレーザー)をする場合は自由診療となります。
対象となる眼内レンズ
薬事承認された多焦点眼内レンズであって、眼鏡装用率の軽減効果を有するとして承認されたもの、または先進医療の枠組みで評価を受けたものが対象となります。
※海外からの輸入眼内レンズ(Finevision、MINIWELL、Acriva trinovaなど)を用いる手術、及び、フェムトセカンドレーザーを使用した白内障手術(FLACS)はこれまで通りの完全自由診療となります。
対象のレンズについてはこちらを参照ください。