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皆さま、新年明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。
2009年の手術実績を公開しました。お陰さまで総手術件数が700件を超え、白内障手術に関しましても、私が2007年に本格的に帰って来てから、いつの間にやら1000件を超えておりました。白内障手術の合併症の中で、最も恐ろしい術後眼内炎(感染症)は、今のところ1件も発生しておりません。今年も1件も発生させないように、新たな知見を取り入れ、細心の注意を払って手術を行う所存でございます。
さて、昨年末に購入した新しい検査機器、ウェーブフロントアナライザーKR-1Wを紹介させて頂きます。
「ウェーブフロントアナライザー」などと言われても、皆さま意味がわからないですよね・・。(^^;)
簡単に解説しますと、目の屈折異常には近視・遠視・乱視と大きく3種類あります。しかしながら、その3種類だけでは説明がつかない事が、ままあります。すなわち、どんなにメガネやコンタクトレンズなどで、近視・遠視・乱視などを矯正しても、見えにくい場合があるのです。
近視・遠視・乱視以外の屈折異常を、高次収差(=不正乱視)と言います。その高次収差の測定を可能にしたのがウェーブフロントアナライザーです。
私の専門分野である白内障手術に関しましては、眼内レンズの選択に必須と言えます。眼内レンズは「球面レンズ」と「非球面レンズ」の2種類に大別されます。球面レンズは収差がゼロ(~+0.2)ですが、非球面レンズは−0.1〜−0.2という収差を持っております。つまり、術前に高次収差を測定することによって、例えば収差がゼロに近い方には球面レンズを使用し、+0.2以上の収差がある方には非球面レンズを使用した方が、より快適な視機能を提供出来ることになります。
また、この器械の優れた点は、患者様がどのように視力表が見えているのかをシミュレーションして表示してくれるところです。(実際の見え方は瞳孔の大きさや脳の補正により変わってくるので、その通りに見えているというわけではありません)
1例です。
この方の場合、ランドルト環(視力検査に使用するCに似た文字の事です)が下方に流れて見えてますよね。表の1番下が1.0に相当する部分ですが、「右があいてる」と分からなくはないですが、本当はこんなにブレて見えていることになります。
すなわち、今まで視力検査で「1.0の視力が出た!よく見えてますね!」とこちらが言っていても、はっきりと見えている1.0か、ブレブレでもかろうじて判別出来た1.0かは、わからなかったのです。この機能によって、同じ1.0でも質の違いがあるということが良くわかります。さらにこの器械は瞳孔径(多焦点眼内レンズのレンズ選択に必要)、角膜形状測定(角膜の形をカラーマップで図示)などなどの機能がついております。
また白内障の話に戻りますが、
「軽い白内障があると言われたが、視力の数字は悪くない。ただ、すごく目が疲れるし、手術を受けようか迷っている。」
という方にはこの検査をすることにより、手術をすればその症状が治るかどうかがわかります。
すなわち、他の眼疾患がないと仮定して、角膜の高次収差が少ないのに眼球全体の高次収差が強く出ていれば、白内障による収差の増大ということになります。そして、例のシミュレーションで、ランドルト環がブレブレに映っておりご本人自身の自覚的な見え方と一致するようなら、白内障手術を受けた方が良いです。
逆に、角膜の高次収差が強く、眼球全体の収差と余り差がない場合などは、角膜の不正乱視が原因である可能性が高く、角膜疾患を考慮します。上記の例に出した検査結果はそれにあたります。
また、角膜からも眼球全体からも高次収差があまり検出されないような目ならば、単なる疲れ目という事で、経過を観察します。
このように、ウェーブフロントアナライザーとは、非常に使える器械です。買ったばかりということも相まって、今、当院に置いている検査機器の中で一番かわいい奴です!
という訳で、当院の診療レベルがまた一段と向上しました!本年も宜しくお願い致します!
森井 勇介
院長/白内障手術担当医師
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